MCDN

第四回MCDN定期勉強会:「アートとWEBサービスの最新動向」

事務局山本です。

年の瀬も押し迫ってまいりましたが、1月の勉強会の告知です!
※2月の勉強会告知は年明け早々にでも行う予定です。

★第四回MCDN定期勉強会
「アートとWEBサービスの最新動向」
講師:藤高晃右さん(Tokyo Art Beat, NY Art Beat, 101 TOKYO共同設立者)


<概要>
ネットでのアート作品の売買、ブログやツイッターを通じてのミュージアムやギャラリーの情報提供、アートを日常的にするスマート・フォン・アプリの登場……ここ数年でアートの世界でもWEBサービスが利用されるのが当たり前の世の中になってきました。特に2010年は、その数や種類、可能性が一気に高まった年ではなかったでしょうか。
2011年第一回のMCDN定期勉強会は、現在ニューヨークを起点としてNY Art Beat 運営等の活動されている藤高晃右さんをお迎えし、「アメリカでも、2010年急激に増えてきた」というアート業界へのIT分野からのアプローチに関して、藤高さんご自身が実際に接した り、感じたりしたことを交えてお話していただきます。

ちょうど1月22日からスタートする、世界初のネット限定アートフェアである VIP Art Fair (http://vipartfair.com/)や、美術作品を独自の検索システムで見つけ、購入までできるサイトとして注目を集めているart.sy(http://art.sy/ :現在招待制)等の最新動向から、もう少し規模の小さいものまで、なぜそのような動きが出ているのかの背景まで含めてお話していただく予定です。

また、最後に日本からの事例として、先日Tokyo Art BeatがリリースしたiPhone用美術館割引券アプリ「ミューぽん(http://www.tokyoartbeat.com/apps/mupon)」に関して、担当者である曽田智佳子さんからいろいろ開発秘話等をご紹介していただきます。

第一回から第三回まで「ミュージアム」に特化した勉強会でしたが、今回は広く「アート業界」におけるWEBサービスについて取り上げ、日本にてITの力を利用してアートを広げたり、ビジネスを立ち上げるには何が必要かを考えていければと思います。皆様奮ってご参加ください。

■日程:1月20日(木)19:30~21:30 受付19:00~
■場所:慶応義塾大学 三田キャンパス ※詳細な場所は参加登録された方にメールでお伝えいたします。
■募集人員:20名
■会費:2,000円
■参加申し込み方法:info(at)mcdn.jp まで、下記事項をご記入の上「1/20勉強会参加希望」のタイトルでご応募ください。
・お名前
・メール・アドレス
・ご所属
※お名前とご所属は参加者の皆様に配布いたしますことご了承ください。
■応募締切 1/14(金)まで

■講師プロフィール

藤高晃右
現在、NY在住。1978年大阪生まれ。東京大学経済学部卒業。3年間ソニーエリクソン勤務。2004年に日本最大のバイリンガルアート情報サイトTokyo Art Beatをポール・バロン、オリビエ・テローと共同設立。2008年・2009年4月に東京で行われた国際若手アートフェアー101 TOKYOの共同設立者でもある。現在、10年ほど前に人生の重要ないくつかの要素と出会ったNYに帰って、NY Art Beatをスタート。NY Art Beatでは美術館から小さなギャラリーに至るまで1100以上のアートスペースの展覧会を網羅して掲載。TAB/NYABのiPhoneアプリは世界中で4万人もの人々に使われている。IT、ワイン、そしてビールに梃入れされることによって、”アート”は世界をよりよい場所にすることができると考えている。

【実施報告】第二回&第三回MCDN定期勉強会

MCDN事務局長山本です。

続いて、勉強会の報告です。

10月実施できなかったこともあり、11/25(木)にはミュージアム・エデュケーション・プランナーの大月ヒロ子さん、11/29(月)には音声ガイド制作会社アートアンドパート代表の瀬川律子さんをお迎えして、一気に二回開催しました。
お二方とも、大月さんは主に美術館でのワークショップ、瀬川さんは美術館の音声ガイド制作の現場で長い間働かれている方であり、現場の方ならではの「実際」をふんだんな事例と共にお話していただきました。

内容に関しては、第二回・第三回とも、当日の内容などをツイッターでつぶやいてくれている方がおりまして、そちらをTogetterにまとめました。
そちらを見ていただければ、当日の流れや何がポイントとしてあがっていたか……がおわかりになっていただけるかと思います。

■第二回MCDN定期勉強会
「ミュージアムの教育プログラム -大きな期待と厳しい現実の先に-」Togetter
http://togetter.com/li/72812

■第三回MCDN定期勉強会
「音声ガイド ~解説と感動の関係性」Togetter
http://togetter.com/li/74073

また、第三回で瀬川さんがレクチャーする際に使用されたPPTは下記からご覧になれます。(一部リバイス有)



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今年8月から始めたMCDN勉強会ですが、ミュージアムと経営に強い関心と熱意を持つ参加者の皆さんと、お忙しい中快くレクチャーを引き受けてくださる講師の方々のおかげで、運営側の当初の想いどおり、MCDNのミッションを支えるコアの活動になってきていると感じております。

2011年もいろいろな分野から一線の方をお呼びして、勉強会を開催してべく現在仕込み中です。
さらには、有志での自発的な勉強会のサポートなども行っていく予定です。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

【実施報告】11/24(水)「アートと民主主義、そして日本の未来」

MCDN事務局長山本です。

遅くなりましたが、11月のMCDNイベントの報告を簡単にですが一気にいたします。

■11/24(水)開催「アートと民主主義、そして日本の未来」
概要はコチラ 

当初は軽いオフ会のつもりで募集した本イベントでしたが、最終的には50名を越える方々に参加表明いただきました。
予定していた80分はあっという間に過ぎ去り約2時間のイベントとなりましたが、それでも「まだまだ全然時間が足りない!」と感じさせる盛りだくさんの内容でした。
ご参加いただいた方々に書いていただいたアンケートを拝見しても、皆さんとても真剣に今回のテーマに取り組む姿勢があり、運営側としてもこの議論をきちんと続けていかなければと改めて感じました。

今後はこの議論をどうやってアクションに結びつけていくか、を焦点に、来年以降もスタイルをよりよいものにしながら継続したいと考えております。

改めまして、ご参加された皆様、USTを見てくださった方々、ツイートしてくださった方々、
そしてお忙しい中お越しいただいたスピーカーの方々、本当にありがとうございました。

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さて、当日はそらのさんにUST中継もしていただき、アーカイブは下記からご覧いただくことができます。



動画をご覧いただく際の目安として、イベントのざっくりとした流れは下記をご参照ください。(主に当日のチェアである岩渕からのスピーカーへの問いかけのタイミングで分けています)

なお、イベント中及びイベント後、#MCDNでツイートされたものをTogetterに保存いたしました。
http://togetter.com/li/72430
ところどころ順番などを並び替えているところもありますが、ほぼそのままの状態での保存です。
読みづらいところもあると思いますが、イベント後も感想ツイートで盛り上がっております。

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■イベントの流れ

00:13:55頃~ 渡辺氏によるプレゼンテーション
「地域系アートプロジェクトの構造的限界と日本美術界の病」より

プレゼンテーションの際、使用されたPPT


00:27:10頃~ 岩渕→内山氏「行政が書類を作ることが目的となっていることに関して」

00:32:30頃~ 岩渕→上山氏「大阪市近代美術館がコレクションはあるが、美術館が設立されない問題について」
※言及されいている大阪市立近代美術館整備計画に関してはコチラ

00:41:15頃~ 岩渕→斉藤氏「理想を実現することが日本だとどう大変なのか。アメリカとの比較も含め」

00:46:40頃~ 岩渕→金山氏「予算がおさえられたことにより専門家(例えば修復など)が雇えない状況になっていることへの弊害に関して」
※言及されている新潟市美術館カビ問題はコチラ
「展示品にカビ」新潟市美術館が休館 地域への貢献、葛藤続く

00:53:15頃~ 岩渕→荒川氏「日本ではアートをアートとして教えてこなかったという指摘があったが、資金を調達するためには”教育のためのアート”のような切り口にせざるを得ない。その現状に対してどう思うか」

00:57:40頃~ 荒川氏→渡辺氏「学生の本音を代弁すれば、地域系アート・プロジェクトの何が悪い?だと思うが、(問題提起をされた)渡辺氏的にはどうお考えか」

01:03:35頃~ 岩渕→斉藤氏/内山氏「市民の権利としての「表現の自由」がアメリカでは確立されていて美術館の中でもそれが認められている。そして、皆それを理解してもらうために必死で説明する。日本ではそういう議論がなかなか起きないと感じているがどうか」

01:07:18頃~ 上記の流れを受けて上山氏「日本と欧米の状況を比較することはよく言われるがそれはあまり意味がないし、アートは他の分野に比べればそれほど悪いとは思っていない。日本は単純にお金がない」

01:14:00頃~ 上山氏「利用されたくないアートの議論があるが、わからない人に言っても仕方なくてある程度楽しいから来てねと言って裾野を広げていくしかない。そこで初めて出てくる日本のアートの議論とその限界」

01:16:00頃~ 金山氏「アートのピラミッド構造とその再構成の必要性に関して」

01:19:55頃~ 参加者からのご意見 神奈川県立近代美術館の方から

01:24:40頃~ 岩渕→荒川氏「若い人にとっては”かっこいい”という要因が導入部分としては必要か」

01:27:15頃~ 続いて渡辺氏「アートのピラミッド構造、アート・ヒストリーの文脈での説明責任、専門性に関して」

01:32:25頃~ 岩渕→斉藤氏「アメリカではダブル・メイジャーが柔軟にできる(指揮者が理系の専攻をとっていたり)と思うが、それはどういう構造があるのか」

01:35:34頃~ 参加者からのご意見

01:39:55頃~ 上山氏「美術館は解体すればよいのではという参加者の方からのご意見に対して」

01:44:00頃~ 渡辺氏「リーマン・ショック後に起こった、イギリスのコンサルティングによるアート・プロジェクトのデリバティブ化。それを日本に輸出していることと、行政が追随している現状に関して」

01:45:46頃~ 内山氏「官か民の二項対立だけでない、市民社会で支えることの重要性」

01:48:30頃~ 参加者からのご意見 

01:54:15頃~ ツイッターであった主なご意見

(1)アート・プロジェクトの何が悪いのか、道具でもいいじゃないかというご意見
(2)専門性の定義がよくわからないというご意見
(3)日本のアート教育では興味をもてない。基盤がない中、興味をもてと言われても無理という

01:55:07頃~ 渡辺氏「今回の文脈における”専門性”に関して」

01:55:55頃~ 岩渕 まとめ

以上